GISとは? 座標系の基本をやさしく解説
GIS(地理情報システム)ってなに?
GISとは「Geographic Information System(地理情報システム)」の略です。
地図や位置の情報を使って、データを分析したり表示したりするコンピューターの仕組みです。
たとえば:
- 地図アプリ
- 災害の避難地図
- 配達ルートの最適化
- 都市計画や建物の管理
これらすべてにGISが使われています。
地図を正しく表示するために必要なもの
GISでは「地球のどこに何があるか」を正確に扱うため、2つのことがとても重要です:
- 座標(ざひょう)
- 座標系(ざひょうけい)
座標ってなに?
座標は、場所を数字で表す方法です。
例:
- 経度(けいど):東西の位置
- 緯度(いど):南北の位置
たとえば、東京駅の座標は:
- 経度:139.7671
- 緯度:35.6812
このように、地球上のどこにあるかを数字で表せます。
座標系(Coordinate System)ってなに?
座標系とは、「地球上のどこかを、どういうルールで数字に置き換えるか」を決めた基準です。
同じ数字の座標でも、どのルールで計算するか(=座標系) によって、位置が変わります。
主な種類:
地理座標系(Geographic Coordinate System) :地理座標系は、地球を球体と見なして、「緯度」と「経度」で場所を表します。
- 地球を球体として扱う
- 単位は「度(°)」
- 例:WGS84(GPSで使われる)
投影座標系(Projected Coordinate System) :地球は丸いですが、緯度経度の代わりに「X(東西方向)」と「Y(南北方向)」の数値で地図や図面で位置を表します。
- 地球を平面にして地図にする方法
- 単位は「メートル」など、距離や面積の計算がしやすい特徴があります。
- 例:UTM座標系、JGD2000 / JGD2011(日本の測量で使用)
日本では、国土地理院が定めた「平面直角座標系」や「JGD2011」という座標系が多く使われています。
座標系がちがうとどうなる?
同じ地点でも、座標系がちがうと位置がずれることがあります。
たとえば:
- WGS84(GPS)とJGD2011(日本)では、最大で数十メートルのずれが出る
- 地図データと航空写真で位置が合わないことがある
だからGISでは、使う座標系をそろえることがとても大切です。
まとめ
- GISは地図とデータを組み合わせるシステム
- 座標は場所を数字で表す
- 座標系はその数字の意味を決めるルール
- 地理座標系(緯度経度) は地球全体に使える。
- 投影座標系(平面座標) は、距離や面積を正確に測るのに適している。
- 座標系を間違えると、地図がずれてしまう
GISを正しく使うには、「座標系のちがい」を知っておくことがポイントです。