法線ベクトルについて

法線ベクトルについて

3Dモデルを作るとき、「この面はどちらを向いているのか?」という情報がとても大切です。
その向きを表すのが「法線ベクトル(ノーマルベクトル)」です。


法線ベクトルとは?

法線ベクトルとは、面に対してまっすぐ垂直(直角)に出ている矢印のことです。
英語では “Normal Vector” と呼ばれます。

たとえば、下のような平らな板があったとします:

     ↑ 法線ベクトル
─────────── 面

この矢印(ベクトル)が「面の表(おもて)」を示しています。


なぜ法線ベクトルが必要?

法線ベクトルがあると、次のようなことができます:

  • 光の反射を計算できる:明るく見せたり、影をつけたりできる
  • 面の表と裏を見分けられる:裏側が透明になっていることもある
  • 見た目のリアルさが変わる:向きによって光の当たり方が変わる

OBJファイルでの法線ベクトル

OBJファイルでは、法線ベクトルは vn という記号で書かれます:

vn 0.0 0.0 1.0

これは「Z方向に上を向いているベクトル」という意味です。

面(f)の中で、どの法線ベクトルを使うか指定できます:

f 1/1/1 2/2/1 3/3/1

最後の /1vn 1 の意味です。つまり、この面は同じ向きを持つ法線を使っています。


法線ベクトルが正しくないと?

  • モデルが暗くなる(光の当たり方がおかしい)
  • 表と裏が反対になる(裏が見えたり、表が見えなかったり)
  • テクスチャがずれる・貼れない

→ 法線が正しいと、3Dモデルはきれいに正しく表示されます


まとめ

  • 法線ベクトル(Normal) : 面の向きを示す矢印
  • OBJでの表記 : vn X Y Z(例:vn 0.0 1.0 0.0
  • 主な役割 : 光の反射、向きの判定、裏表の判別
  • 間違った場合 : 見た目に悪影響が出る(黒くなる、表示されないなど)

法線ベクトルは見えないけれど、3Dの見た目を大きく左右する重要な情報です。
きれいなモデルを作るためにも、正しい向きを意識することが大切です。

法線ベクトルの確認と修正方法を次回に紹介します。

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